文献詳細
今月の主題 胃癌の発育経過
主題症例 A.胃癌の発育経過(形態の変化を中心として) 2)陥凹型胃癌の発育経過
文献概要
患 者:浜○ 広 67歳 男
本例は漿膜に達した進行癌であったが,最終的に胃癌として切除されるまで胃潰瘍として3年5カ月間経過を観察され,この間22回のX線検査と12回の内視鏡検査を受けている.この間の検査回数およびその時点での潰瘍の状態をTable 1に示したが,本稿では頻回の検査材料の中で,矢印で示した時点の内視鏡写真と手術標本肉眼写真,病理組織所見を呈示し,若干の考察を加えた.
癌巣内消化性潰瘍の経過 Fig. 1は1963年5月9日(術前3年5カ月前)の内視鏡像である.胃角にやせと陥凹部を認める.陥凹部には,面積を有した発赤とまだら模様をみる.潰瘍はほぼ瘢痕の状態にある.この状態は,時に病巣部にpin pointの白苔の出没をみながら,1963年12月までの5回の内視鏡写真上,ほとんど変化しなかった.
本例は漿膜に達した進行癌であったが,最終的に胃癌として切除されるまで胃潰瘍として3年5カ月間経過を観察され,この間22回のX線検査と12回の内視鏡検査を受けている.この間の検査回数およびその時点での潰瘍の状態をTable 1に示したが,本稿では頻回の検査材料の中で,矢印で示した時点の内視鏡写真と手術標本肉眼写真,病理組織所見を呈示し,若干の考察を加えた.
癌巣内消化性潰瘍の経過 Fig. 1は1963年5月9日(術前3年5カ月前)の内視鏡像である.胃角にやせと陥凹部を認める.陥凹部には,面積を有した発赤とまだら模様をみる.潰瘍はほぼ瘢痕の状態にある.この状態は,時に病巣部にpin pointの白苔の出没をみながら,1963年12月までの5回の内視鏡写真上,ほとんど変化しなかった.
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