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今月の主題 胃癌の発育経過 主題症例 B.胃癌の発育経過(時間的要素を中心として) 1)長期間著しい変化を示さなかった症例
Case 23 4年間ほとんど形態的変化を示さず,しかも早期癌のままで経過したⅡa+Ⅱcの例
著者: 久道茂1 白根昭男1
所属機関: 1宮城県対がん協会検診センター
ページ範囲:P.54 - P.55
文献購入ページに移動手術4年前の胃集検でチェック,胃カメラ検査を受け,当時の診断は異常なしであった.しかし,フィルムのreviewをしてみると,幽門前庭部の胃カメラ像(Fig. 1)では,レンズののっかりのため不明な写真であるがわずかに凹凸不整の粘膜表面が読みとれ,さらに,同じ胃カメラフィルムの反転像(Fig. 2)では,明らかに幽門前庭部後壁大彎よりに,表面がわずかに陥凹部をもつ背の低い隆起性病変(Ⅱa+Ⅱc)が読むことができる.写真不良が原因ではあるが,見落とし例である.
それから4年後,再び胃集検にてチェックされて受けた術前の胃ファイバースコープの像(Fig. 3,4)では,4年前の所見と同じように,表面の性状も大きさもほとんど変わらない状態の隆起性病変(Ⅱa+Ⅱc)の所見がみられた.
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