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今月の主題 胃・十二指腸 併存潰瘍 主題
切除標本からみた併存潰瘍
著者: 安井昭13 石井淳一2 片岡徹2 城所仂3 村上忠重4
所属機関: 1越谷市立病院外科 2昭和大学外科 3順天堂大学消化器外科 4東京医科歯科大学第1外科
ページ範囲:P.1347 - P.1356
文献購入ページに移動さて,われわれの関係教室(昭和大学外科)で経験した十二指腸潰瘍の病理所見については,1961年に岩堀1)が,また1965年に村上ら2)が,それぞれの期間の統計的観察を行い報告している.当時対象とした十二指腸潰瘍は,単独例98例,併存例61例計159例である.当時の統計によると十二指腸潰瘍の病理学的な傾向にはほとんど差異がないと報告されている.しかしわれわれがいつも心にとめていたものに単独十二指腸潰瘍と平行して,それより数の少ない胃潰瘍との併存十二指腸潰瘍を経験することである.病理学的な詳細な検索をすればするほどその数は増してくる.両者間に何らかの病理学的,あるいは臨床的な差異があるのではなかろうかという点で常にわれわれの脳裏にこびりついていた.しかし3種(胃潰瘍,十二指腸潰瘍,胃・十二指腸併存潰瘍)の消化性潰瘍のうちで,この併存十二指腸潰瘍は数がもっとも少なく,統計観察を行うのに不十分であったので,われわれ3)は1967年に単独十二指腸潰瘍57例,併存十二指腸潰瘍49例計106例について,前回と同様の統計的観察を試み2~3の知見を得ているが,今回はそれらの症例にその後採取された症例および順天堂大学消化器外科で切除された症例を加え統計的観察を行ったので報告する.
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