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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻10号

1978年10月発行

症例

クレオソート長期服用後に発生したOligoganglionic megacolonの1例

著者: 太田裕彦1 加藤洋1 喜納勇2 小原孝男3 比田井耕3

所属機関: 1東京大学医学部病理学教室 2浜松医科大学病理学教室 3東京大学付属病院第2外科

ページ範囲:P.1429 - P.1433

文献概要

 小児期にみられる大部分の巨大結腸症はHirschsprung病として従来からよく知られている.その本態は腸管内在神経の先天的欠除congenital aganglionoslsで,それより口側の腸管が2次的に拡張するものである.また,Hirschsprung病類縁疾患として腸管内在神経の先天的質的量的異常も最近問題となっている.いずれにしてもこれらの疾患は新生児期に発症するのが普通である.

 これに対し成人における巨大結腸症は日常しばしば遭遇する疾患であるにもかかわらず,その本態,病因に関しては不明のものが多い.なかには,稀に成人になって発見されるHirschsprung病も含まれるが,大部分は小児期の便通は正常で,後天的原因によるものと推定されている.しかも,成人の巨大結腸症で病理学的に十分検索され原因が明らかにされた報告例は本邦ではほとんどみられない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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