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今月の主題 食道・胃 境界領域癌の問題点 主題
食道・胃境界領域癌の病理学的特徴とX線診断の問題点
著者: 松江寛人1 広田映五2 板橋正幸2 鈴木邦夫2 山田達哉1 笹川道三1 牛尾恭輔1 岡崎正敏1 高杉敏彦1 森山紀之1 光島徹1 阿部荘一1 市川平三郎3
所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター病理研究室 3国立がんセンター病院
ページ範囲:P.1477 - P.1488
文献購入ページに移動そこでまず食道・胃境界領域の定義に関して考えてみると,その領域を胃のどの部位までにするかは異論の多いところであろうが,食道胃接合部の周辺がいまだにX線診断の困難な部位のひとつであるという事実を考えれば,食道・胃境界領域を食道にきわめて近接する範囲に限定したほうが臨床的に役立つと思われる.著者らは,X線上の胃の形態と切除標本とを対比して胃を細かに区分し,そのなかで噴門口に水平な線と胃角から小彎線上の口側に1cm寄った点から大彎側に向かって胃角の垂直線に対し30°の角をなす線との間にある胃体部を横に四等分した内の最上部にあたるいわゆる噴門下部が,食道胃接合部(切除標本上は線,X線上は噴門口)からおよそ2cm以内に含まれるので,食道胃接合部から2cmの範囲を食道・胃境界領域として取り扱うのが,特にX線診断の立場からみて意味があるものと考える.
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