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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻11号

1978年11月発行

文献概要

今月の主題 食道・胃 境界領域癌の問題点 主題

食道・胃境界領域癌の病理学的特徴とX線診断の問題点

著者: 松江寛人1 広田映五2 板橋正幸2 鈴木邦夫2 山田達哉1 笹川道三1 牛尾恭輔1 岡崎正敏1 高杉敏彦1 森山紀之1 光島徹1 阿部荘一1 市川平三郎3

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター病理研究室 3国立がんセンター病院

ページ範囲:P.1477 - P.1488

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 食道・胃境界領域の胃癌は臨床病理学的にも特徴があり,また診断学が進歩した今日にあってもいまだにX線診断上問題の多い胃癌である.

 そこでまず食道・胃境界領域の定義に関して考えてみると,その領域を胃のどの部位までにするかは異論の多いところであろうが,食道胃接合部の周辺がいまだにX線診断の困難な部位のひとつであるという事実を考えれば,食道・胃境界領域を食道にきわめて近接する範囲に限定したほうが臨床的に役立つと思われる.著者らは,X線上の胃の形態と切除標本とを対比して胃を細かに区分し,そのなかで噴門口に水平な線と胃角から小彎線上の口側に1cm寄った点から大彎側に向かって胃角の垂直線に対し30°の角をなす線との間にある胃体部を横に四等分した内の最上部にあたるいわゆる噴門下部が,食道胃接合部(切除標本上は線,X線上は噴門口)からおよそ2cm以内に含まれるので,食道胃接合部から2cmの範囲を食道・胃境界領域として取り扱うのが,特にX線診断の立場からみて意味があるものと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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