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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻11号

1978年11月発行

文献概要

今月の主題 食道・胃 境界領域癌の問題点 主題

食道噴門部癌の内視鏡診断

著者: 遠藤光夫1 鈴木茂1 川田彰得1 吉田克己1

所属機関: 1東京女子医科大学消化器病センター・外科

ページ範囲:P.1489 - P.1495

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 食道噴門部癌の診断には,接合部領域の小さい癌の診断から,開胸か開腹のみかという外科的治療の適応の決定まで,幅広いものを含んでいる.まずX線検査がなされるが,接合部領域の診断には特殊な工夫も試みられている.このことは内視鏡検査でも同じで,器種の選択,観察時の慣れなど,多少の努力が必要になってくる.ファイバースコープの改良と普及で,それほど特殊部位扱いされなくなってはいるものの,無神経では困る接合部領域の内視鏡診断である.

食道噴門部領域における内視鏡

 この領域の内視鏡検査には,食道ファイバースコープ,胃ファイバースコープの両者が従来より用いられ,その境界の領域ということで,両者より関心が向けられてきた.X線上,下部食道に癌の浸潤が考えられ,狭窄所見のある場合は,前方視の食道ファイバースコープの適応であり,接合部以下の病変を予想する場合は胃ファイバースコープでの検索が主体であった.しかし最近では,食道から十二指腸球部までを1本の内視鏡で観察する前方視のPan-endoscope(GIF,PFS)が普及し,食道や噴門は“上部消化管検査の際の通り路”という考えも盛り込まれて,噴門部領域もPan-endoscopeで観察される機会がふえている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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