icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻11号

1978年11月発行

文献概要

今月の主題 食道・胃 境界領域癌の問題点 主題

噴門部胃癌(腺癌)の組織発生―幽門部癌との比較

著者: 加藤洋1 菅野晴夫1 和田潤一12 中村恭一13

所属機関: 1癌研病理 2山形大石川内科 3筑波大病理

ページ範囲:P.1509 - P.1515

文献購入ページに移動
 食道胃境界領域癌のうち,癌の中心が食道胃接合線より2cm以内の胃に存在する腺癌(以後,噴門部胃癌)に注目し,その統計的ならびに組織学的特徴を述べ,さらに,癌の組織発生,特に分化型癌と腸上皮化生との関係について,幽門部の癌(腺癌)と比較しながら考察したい.

噴門部胃癌(腺癌)の特徴

 1955年から1974年の20年間に癌研病院において切除された胃癌のうち,最大径10mm以上の腺癌を有する症例は4,247例で,男が2,671例,女が1,576例である.前述のように噴門部を食道胃接合線より2cm以内と限定し,癌の占居部位を癌巣の中心部位で表わすと,噴門部癌は,男が2.8%,女が1.6%であり,男女とも胃癌全体の数%にすぎなかった(Table 1).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?