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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻11号

1978年11月発行

文献概要

症例

皮膚筋炎を伴った膵癌食道転移の1例

著者: 野村益世1 石黒章1 大谷誓治1 西脇宗一2 磯山勝男2 野坂謙二3

所属機関: 1関東中央病院内科 2関東中央病院皮膚科 3関東中央病院病理

ページ範囲:P.1553 - P.1557

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 中年以降の皮膚筋炎には悪性腫瘍が高率に合併する1~5)15).しかしその多くは胃癌などで,膵癌の合併例は稀である.近年,遠隔臓器癌の胃転移の報告が散見されるようになってきたが6)16),食道転移の報告は少なく,本邦報告例は戦後7例7)8)17)~19)にすぎない.膵癌食道転移の報告例は内外とも非常に少ない8)9)

 著者らは最近皮膚筋炎例の食道にⅡa+Ⅱc様の小癌巣を認め,剖検上それが膵体部癌の食道転移であった例を経験したので報告する.

症 例

 患 者:71歳 男 会社役員

 主 訴:皮疹と瘙痒

 家族歴・既往歴:特記すべきものなし

 現病歴:1975年11月頃より顔面・手背に発赤腫脹,両手背の潰瘍が出現,12月には肘・膝関節突起部の上面にも紅斑びらんが出現,嗄声となり,某病院で加療したが軽快せず,微熱もみられるようになり,1976年2月16日,本院皮膚科に入院した.体重減少,黄疸,腹痛はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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