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症例
診断困難な形態を示したスキルスの1例
著者: 酒井正彦1 三宅健夫1 山本泰猛1 有吉浄治1 洲崎剛1 大石雅巳1 上田俊二1 柏原貞夫2
所属機関: 1天理よろづ相談所病院消化器内科 2天理よろづ相談所病院腹部外科
ページ範囲:P.1565 - P.1570
文献購入ページに移動症 例
患 者:72歳 男性 会社役員
家族歴:特記すべきものなし
既往歴:62歳,急性肝炎の診断にて自宅療養し治癒.66歳,糖尿病を指摘され,現在食餌療法のみで可とされている.
現病歴:約2年前より飲水時の前胸部閉塞感を自覚していたが,症状増悪しないままに放置していた.1977年6月,全身に皮疹を来たし,近医受診,同じ頃,心窩部鈍痛も自覚していたために,消化管透視を受け,慢性湿疹,胃潰瘍の診断を受け,通院開始した.2カ月後再び消化管透視を受け,Borrmann 1型胃癌と診断され,本院へ紹介された.これまでに食欲不振,体重減少はなく,便通異常,下血にも気付いていない.
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