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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻11号

1978年11月発行

文献概要

症例

狭窄をきたした虚血性大腸炎の1例

著者: 方山揚誠1 竹内廣1 栗林宣雄1 有森正樹2 固武健二郎2 松本重喜2 木村忠2 栗田健3

所属機関: 1国立東京第2病院病理 2国立東京第2病院内科 3国立東京第2病院外科

ページ範囲:P.1571 - P.1576

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 虚血性大腸炎は種々の原因による大腸虚血の結果起こる非特異性炎症性疾患とされている.その概念は1960年代に提唱されたが,本邦での報告例は18例にすぎない1)~8).またそれらの病理学的所見は比較的簡単に記載されているように思われる.われわれは狭窄をきたした虚血性大腸炎の1例を経験したので,その病理学的所見に重点をおいて報告する.

症 例

 患 者:75歳 男性

 主 訴:腹痛

 既往歴:73歳の時,老人検診にて高血圧を指摘された.以来,時々降圧剤を服用していた.

 家族歴:特記すべき事項はない

 現病歴:1976年9月25日,夕食前に降圧剤を服用したところ,同日午後6時頃より突然腹痛が起こり,嘔吐,下痢も出現した.血性下痢,血便はなかった.近医を受診し,入院精査の結果,①イレウス(結腸癌の疑い),②心房細動の診断にて当院外科に紹介された.前医での検査成績は白血球増多(10,100,好中球89%)を除いて著変はなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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