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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻11号

1978年11月発行

文献概要

症例

黄疸のない早期乳頭部癌の1例

著者: 立川治俊1 林茂樹1 大久保俊治1 金沢義彦1 山田和義1 小林正義1 岡野健1 鈴木裕1 菅谷彪2 松岡富男2 荒川真2 皆川憲弘2 綿貫勤3

所属機関: 1平鹿総合病院第1内科 2平鹿総合病院外科 3秋田大学医学部第1病理学教室

ページ範囲:P.1577 - P.1583

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 十二指腸乳頭部病変の診断能は,十二指腸ファイバースコープ,内視鏡的逆行性胆膵管造影法(Endoscopic retrograde cholangiopancreatography,以下ERCP)の開発以来,飛躍的進歩をみた1)~6).十二指腸乳頭部癌の報告もそれを契機に増加したが,まだ多くは黄疸を主徴として発見されたもの7)~10)で,黄疸もなく,乳頭部に限局した早期癌の報告例はまだ稀有である.

 最近われわれは黄疸のない,乳頭部癌を術前診断し,根治手術を施行した早期癌と考えられる症例を経験したので,若干の考察を加え報告する.

症 例

 患 者:T. I. 45歳 家婦

 主 訴:心窩部痛

 既往歴・家族歴:特記すべきことなし

 現病歴:1975年5月頃より心窩部鈍痛,左背部苦痛あり,某医受診し,胆囊と胆管が腫れているといわれ,薬物療法を受け,自覚症状は治癒した.同年12月末に再び同様症状が出現し,同医を訪れ,当院での精密検査を勧められて,1976年1月24日当院第1内科を受診した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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