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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻12号

1978年12月発行

文献概要

今月の主題 クローン病(3)―疑診例を中心に 主題症例

⑨クローン病様病変を合併した直腸癌の1例

著者: 大原毅1 荻野彰人1 佐治弘毅1 毛利昇2 今村哲夫2

所属機関: 1東京大学医学部第3外科 2東京大学医学部附属病院分院中検病理

ページ範囲:P.1683 - P.1687

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 近年クローン病に対する関心が高まるとともにクローン病と腸癌との合併例も散見されるようになった.わが国では,1976年日本消化器病学会クローン病検討委員会1)が,クローン病診断基準案(以後「診断基準案」と略記す)を示して以来,これにもとづいて診断されている傾向がある.

 今回,われわれは直腸癌に,上記「診断基準案」によれば,クローン病確診病変を合併した症例を経験した.しかしながら本病変は,臨床的にも病理学的にも,クローン病とはいわない方が妥当であろうという結論に達した.この点から,クローン病の特徴であるかのようにいわれる,全層性炎症・肉芽腫・裂溝などの成り立ちについて,これらが非特異的な所見にすぎないという点で,きわめて示唆に富む症例と考えられたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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