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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻2号

1978年02月発行

症例

広汎なPaget病を伴った直腸粘液癌の1例―肛囲Paget様病変の組織発生

著者: 出雲井士朗1 江淵正和1 竹下公矢1 吉田雋1 樫村明1 村上忠重1 青木望2

所属機関: 1東京医科歯科大学第1外科 2東京医科歯科大学中検病理

ページ範囲:P.233 - P.239

文献概要

 直腸癌にPaget病変を伴うことは比較的まれなことであるが,なかでも肛門部周囲におけるPaget病変の組織発生論には議論の多い所である.われわれは今回,直腸粘液癌に伴発した広汎な肛門部周囲のExtramammary Paget's Disease(以下,EPDと略す)の1例を経験したのを機会に直腸癌とPaget病変との関連性を組織学的に検討したので,若干の考察を加えてここに報告する.

症例

 患 者:家婦,77歳

 主 訴:肛門部周囲瘙

痒感,肛門出血

 家族歴・既往歴:特記すべきことなし

 現病歴:生来健康,1973年12月頃より肛門部出血に気付き近医にて痔核を指摘され痔核摘除術を受けた(詳細不詳).1974年2月初め頃より肛門部周囲の瘙

痒感を伴う湿疹に気付き,近医にて保存的治療を受けるも次第に増悪,1975年3月,某市立病院に転科して治療を継続した.同年5月頃より便秘気味になるとともに,排便時に出血を認めるようになった.同年9月10日,皮膚生検施行.肛囲EPDと診断された.同年10月8日,当大学皮膚科外来受診.入院精査の結果,直腸癌を指摘され当科に転科入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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