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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻2号

1978年02月発行

文献概要

症例

境界領域に属する胃リンパ腫の1例

著者: 津金綏俊1 津根境1 北川陸生1 室久敏三郎1 大久保春男2

所属機関: 1浜松医療センター内科 2浜松医療センター検査部

ページ範囲:P.249 - P.254

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 近年,胃X線,内視鏡検査および生検の進歩とともに,胃原発悪性リンパ腫の症例は数多く報告されている.しかし,臨床的には良性悪性との鑑別診断が問題となり,他方,病理組織学的にも限局性のリンパ細網細胞増生との鑑別診断が問題となる.われわれは胃悪性リンパ腫と診断,手術し,術後も悪性と考えて化学療法を施行したが,病理組織学的には良性悪性の鑑別が困難であった1症例を経験したので報告する.

症例

 患 者:57歳 女性 主婦

 主 訴:空腹時の上腹部痛

 既往歴:1976年9月急性虫垂炎で虫垂切除

 家族歴:祖父が胃癌で死亡以外,特記すべきことなし.

 現病歴:約5年前より胸やけ,背部痛および曖気があって,某医を受診,慢性胃炎の診断で治療を受けていた.過去1年間に約20kgの体重減少があり,空腹時に嘔気と上腹部痛を訴えるようになり,精査のため1975年12月1日本院に入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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