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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻2号

1978年02月発行

文献概要

症例

盲腸の腫瘤を主徴としたクローン病の1例

著者: 土井偉誉1 山脇義晴1 大島健次郎2 西尾碩人2 高橋善弥太2 宮下剛彦3 尾島昭次3

所属機関: 1岐阜大学医学部放射線科 2岐阜大学医学部第1内科 3岐阜大学医学部第2病理

ページ範囲:P.255 - P.261

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 日本消化器病学会クローン病検討委員会からクローン病の診断基準(案)1)が提出され,今迄かなり混乱していた本疾患がひとつのdisease entityとして検討できるようになった,しかし,病変の進行度にもよるのであるが,肉眼形態の上でかなりの差異を認める症例がある.われわれも最近,非定型的症例を経験したので報告する.

症例

 患 者:M. K. 29歳 男性 公務員

 主 訴:右下腹部痛

 家族歴:特記すべきことなし

 既往歴:1972年12月,虫垂炎にて切除術を受けた.

 現症歴:上記虫垂切除術を受けた後,右下腹部に軽度の圧痛が続いていた.1975年10月同部に激痛が現れたが,1日で消退したため放置していた.1976年6月再び右下腹部に激痛があり,近医受診,触診にて同部にクルミ大の腫瘤を指摘され,注腸検査により回盲部に狭窄を認め,大学病院に紹介された.この間に,下痢,下血なく,また悪心,嘔吐などの消化器症状も認めていない.発熱なし.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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