文献詳細
今月の主題 クローン病(1)
主題
小腸クローン病のX線診断
著者: 政信太郎1 徳留一博1 入佐俊昭1 西俣嘉人1 西俣寛人1 中島義行1 古賀大士1 谷山茂樹1 柳田勤1 森秀美1 西俣寿人1 中馬康男1 橋本修治1 白壁彦夫2 西沢護3 中村恭一4
所属機関: 1鹿児島大学医学部第2内科 2順天堂大学医学部内科(消化器) 3東京都がん検診センター 4筑波大学病理
ページ範囲:P.335 - P.349
文献概要
本邦におけるクローン病のX線診断をふりかえってみると,もっぱら欧米の成書をそのまま受け入れ,これに従ってきているというのが現況である.欧米の成書にみられる小腸検査法は充満法と圧迫法が主体で,クローン病のX線診断もこれに基づいたものであり,所見もケルクリングヒダの異常や辺縁の変化,変形に重点がおかれている6)11)13)16).このように手法の異なる欧米の診断学を,そのままわが国の二重造影主体の診断学にあてはめていくのは無理であり,危険でもある.胃のときと同じように,二重造影法を主体とした小腸の診断学理論を確立する必要がある.
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