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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻3号

1978年03月発行

今月の主題 クローン病(1)

主題

イギリスのクローン病と日本のクローン病

著者: 武藤徹一郎1

所属機関: 1東京大学医学部第1外科

ページ範囲:P.385 - P.393

文献概要

 イギリスのクローン病と日本のクローン病との間に,本当に比較できるような相違があるのであろうか?筆者が見聞した対象は,ロンドンのセントマーク病院という,極めて特殊な病院での症例に限られているので,その経験のみからイギリス全体のクローン病について語ることはできない.しかしながら,セントマーク病院でクローン病の典型例を何例も見る機会を得て,クローン病の肉眼所見に対する1つのイメージができ上り,そのイメージが欧米諸国のクローン病にもあてはまることが確認できたにもかかわらず,わが国のクローン病を眺めるときには,そのイメージとは随分かけ離れたような症例に遭遇することが少なくないのは何故なのだろう,という疑問を筆者は常々抱いていた.筆者が誤ったイメージを持っているのかもしれないし,あるいは,肉眼所見の相違は病期の違いのためかもしれない.しかし,日本のクローン病の中には,欧米諸国のそれとは肉眼的に異なる形態を呈するものが含まれているという可能性はないだろうか?

 この機会に,セントマーク病院で得たクローン病のイメージを再現して,これと日本のクローン病とを視覚的に比較してみることにした.数少ない経験についてごく率直にクローン病の肉眼所見について述べるつもりであり,決して科学的な比較論ではないことを初めにお断りしておきたい.筆者が抱く疑問に賛同されるか否か,読者の方々の御批判をあおぎたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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