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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻3号

1978年03月発行

症例

腸重積を起こした横行結腸脂肪腫に直腸癌を合併した1治験例

著者: 方山揚誠1 高田斉1 有森正樹1 松本重喜1 山田穣1 木村忠1

所属機関: 1国立東京第2病院外科

ページ範囲:P.411 - P.417

文献概要

 消化管の脂肪腫は比較的稀な疾患であり,文献上散見されるにすぎない.部位別にみると,本邦では胃の報告が多く,大腸脂肪腫の報告は比較的少ない.しかし近年,大腸脂肪腫の報告は漸次増加しており1)~3),今後も大腸診断技術の向上に伴って増加するものと思われる.最近われわれは腸重積を起こした横行結腸脂肪腫の術後,直腸癌を発見し,根治手術を施行した症例を経験したので報告する.

症例

 患 者:69歳 女性 無職

 主 訴:腹痛

 既往歴:62歳のとき乳癌にて手術および術後照射を受けた.乳癌はStage Ⅰであった.

 家族歴:特記すべきことなし.

 現病歴:1975年10月11日朝より臍周囲の強い腹痛があり,嘔吐した.近医を受診し,腹部単純X線検査を受けたが,特に所見なく鎮痛剤注射を受け帰宅した.しかし腹痛は2,3時間毎に発来し,軽快しないため10月13日同医院入院,10月14日当科へ転院した.排便は10月11日までは毎日あり,以後停止した.10月11日より食事摂取せず水分のみ摂取していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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