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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻4号

1978年04月発行

文献概要

今月の主題 クローン病(2) 主題

クローン病の治療と予後

著者: 土屋周二1 竹村浩1

所属機関: 1横浜市立大学医学部第2外科

ページ範囲:P.517 - P.526

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 クローン病(Crohn病)は慢性進行性の疾患で,原因不明であるため確実な治療法はなく,しばしば保存的療法に抵抗し,また外科手術も再発率が高く,治療のきわめて困難な疾患である.本症の症状・病態は主として病変の部位,範囲,活動性,狭窄その他の器質的変化などによって左右されるものである.治療はまず対症的に炎症をなるべくおさめ,症状を軽快させて病変の進行をできるだけおくらせ,また二次的に起こった代謝・栄養上の病態の改善をはかることである.これらによってできるだけ長期にわたり症状を緩解させ,社会復帰ができるようにすることが目的であり,一挙に疾病を根本から治すことは困難である,外科療法は主として器質的変化による障害を除去する一手段として適応を選んで施行すべきものであり,病変の部位や程度によってその方法は一律ではない.

 このように,クローン病の治療は今日ではまだ臨床的に満足できる段階にはなく,長期的予後は治療法よりも個々の症例における自然の推移によるところが大きいかもしれないが,各病態に応じてもっとも適する方法をいろいろ選択して治療を行い,相当に効果を期待できる場合もある.これまでのわが国におけるクローン病の治療経験は例数が少なく,長期的観察が一般に不十分であるが,欧米では多数例に関する長期観察もなされており,これらの論説と,少数ながら自験例の観察も含めて以下述べてみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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