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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻4号

1978年04月発行

今月の主題 クローン病(2)

症例

直腸の広範囲扁平腺腫の中央部に進行癌を伴った1例

著者: 村山信篤1 森岡暁1 阿部令彦1 馬場正三2

所属機関: 1慶応義塾大学医学部外科 2浜松医科大学第2外科

ページ範囲:P.555 - P.559

文献概要

 われわれは最近腸管全周にわたるfiat adenomaで組織学的には大部分がtubular adenomaであるが,中心部に癌巣を認め,癌巣に近づくにつれてadenomaがtubulo-villous,villous patternを呈した直腸腺腫の1例を経験した.本例について組織学的に検討を加え,腺腫と癌との関連を考察したので報告する.

症例

 患 者:中○そ○ 69歳 女性

 家族歴・既往歴:特記すべきことなし

 初 診:1974年10月22日

 主 訴:下痢

 現病歴:1966年頃より便秘の傾向を認め時々下剤を使用し,また,便に血液が混在することもあったが痔核のためと思い放置していた.1972年頃より便柱は細くなり時々下痢が出現するようになった.1974年8月初旬より下痢が頻回となり,苦痛を覚えるようになった.便の性状は粘液が多量となったため同年10月5日近医にて注腸X線検査をうけ当科を紹介された.なお1972年より2年間に2kgの体重減少を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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