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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻4号

1978年04月発行

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海外文献紹介「腎移植後の胃腸合併症」 フリーアクセス

著者: 小林世美1

所属機関: 1愛知県がんセンター第1内科

ページ範囲:P.560 - P.560

文献概要

Gastrointestinal Complication After Renal Transplantation. Predictive Factors and Morbidity.: M. L. Owens, S. E. Wilson, R. Saltzman, E. Gardon (Arch. Surg. 111: 467~471, 1976)

 腎移植後の胃腸合併症は死亡率が高い.とくに消化性潰瘍は生命を脅かす.著者らは腎移植10年の経験から,術後に胃腸疾患を起こしそうな患者をいかにして術前に同定しうるかを検討した.

 全体109人の腎移植患者中37人(34%)が,胃腸合併症を起こし,死亡率は27%を示した.移植後に潰瘍を起こした17人中5人が死亡.食道・胃・十二指腸にいわゆる“ストレス潰瘍症候群”に匹敵するびらんや潰瘍を起こした4人の患者中3人が死亡.術後消化管出血が29人に起こったが,原因不明の11人中輸血を要したものはわずか2人であったのに反し,原因のわかった18人中では13人に輸血を要した.さらに18人中14人に消化性潰瘍を証明しえた.結局消化性潰瘍が術後の出血のもっとも重要な原因であった.他に4人に膵炎,8人に食道炎が起こったが死亡者はいなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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