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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻5号

1978年05月発行

文献概要

症例

Ⅰ型早期胃癌に併存した十二指腸乳頭状腺腫の1例

著者: 安徳恭演1 石橋大海1 三宅勝1 坂田利家1 沢江義郎1 古川研一郎2 川上克彦2 古賀淳3 渡辺英伸3

所属機関: 1九州大学医学部第1内科 2九州大学医学部第1外科 3九州大学医学部第2病理

ページ範囲:P.701 - P.706

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 最近,十二指腸の良性腫瘍については,診断技術の進歩によって,その報告例が増加してきたが,絨毛状構造をもつ乳頭状腺腫は比較的稀である.著者らは幽門輪上に発生した早期胃癌と十二指腸球部に絨毛状構造をもつ乳頭状腺腫が併存した症例を経験したので報告し,若干の文献的考察を加える.

症例

 患 者:70歳 女性 家婦

 主 訴:特になし

 家族歴・生活歴:特記することなし

 既往歴:61歳の時,上腹部腫瘤にて入院精査したが,胃・十二指腸のX線検査でとくに異常は指摘されなかった.

 現病歴:約2年前にたまたま健康診断の目的で胃・十二指腸X線検査をうけ,十二指腸球部に腫瘤陰影があることを指摘された.内視鏡検査で悪性所見は認められず,生検でも組織学的に正常粘膜と診断されたため,放置していた.その後,とくに自覚症状はなかったが,1976年6月に胃検診で再び十二指腸球部の異常を指摘され,精査のため九大第1内科に入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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