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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻6号

1978年06月発行

今月の主題 胃・十二指腸潰瘍の治療の検討

序説

胃・十二指腸潰瘍の治療の検討―はじめに

著者: 岡部治弥1

所属機関: 1北里大学医学部内科

ページ範囲:P.749 - P.750

文献概要

 消化器疾患の治療法は,何も消化性潰瘍に限らず,明らかな感染症以外は原因療法ともいうべきものがない.とくに消化性潰瘍は胃・十二指腸潰瘍ともに強い自然治癒力をもっているということで,そのような疾患に応用する治療法の効果判定は実際上大変困難である.本誌の主題は“胃・十二指腸潰瘍の治療の検討”ということであるが,数多い治療法の何をどのような方法ないし規準で検討評価するのか,胃・十二指腸潰瘍を同一に論じていいのか等と考えてくると,この古くして新しい問題は今なお決して簡単ではない.

 元来,胃・十二指腸潰瘍は一般にきわめて治癒しやすいが,また再発しやすいことは既によく知られている.したがって潰瘍の再発を防止する治療法ができれば,潰瘍の問題は片づくわけである.しかし現状は,依然として胃潰瘍と十二指腸潰瘍の比率こそ国により民族により違いがあるが,洋の東西を問わず,この消化性潰瘍は消化器疾患の中でもっとも多い器質疾患であり,現在用いられている治療法は如何なるものでも,まだこの大勢を変えることはできないといって過言ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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