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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻6号

1978年06月発行

文献概要

今月の主題 胃・十二指腸潰瘍の治療の検討 主題

消化性潰瘍の病態生理からみた内科的治療のあり方

著者: 福地創太郎1 斉藤靖2 荻野貢成4 岡島洋右3 鈴木秀彦4 山田直行1 伊藤喜一1

所属機関: 1虎の門病院消化器科 2虎の門病院消化器科(現目本医大第3内科) 3虎の門病院消化器科(現熊本中央病院内科) 4虎の門病院消化器科(現開業)

ページ範囲:P.761 - P.772

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 今日,消化性潰瘍は胃・十二指腸の疾患の中でも,もっともpopularな疾患であるが,最近は,難治性の腓抵性潰瘍や著明な胃変形を伴う典型的な線状潰瘍に遭遇することが著しく少なくなっている.そして,消化性潰瘍はむしろ自然治癒傾向が強く,容易に療痕治癒しやすい一方,きわめて再発しやすく,周期的に新たな潰瘍の発生を繰り返すことこそ,この疾病の特徴であり,個々の潰瘍は治癒しても,潰瘍症は治らないといわれる所以である.

 近年のわが国における消化器病学の進歩がもたらした特記すべき大きな変化の一つは,早期胃癌診断学の進歩により,胃の潰瘍性病変の良性悪性の鑑別が著しく確実性を増し,かつてのように,悪性変化が疑わしいとの理由で,良性の消化性潰瘍が手術されることは著しく少なくなり,消化性潰瘍の手術適応の幅がかなり狭められたことであろう.保存的治療が困難な合併症を伴わぬ限り,消化性潰瘍は原則として内科的治療の対象となることは,多くの臨床家が承認していることと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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