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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻6号

1978年06月発行

文献概要

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海外文献紹介「エタノール摂取中の消化管での血清蛋白漏出」

著者: 小林世美1

所属機関: 1愛知県がんセンター

ページ範囲:P.772 - P.772

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 Gastrointestinal Plasma Protein Loss During Ethanol Ingestion: A. R. Chowdhury, L. s. Malmud, V. P. Dinoso, Jr. (Gastroenterology 72: 37~40, 1977)

 エタノールが胃粘膜へ及ぼす不利な影響はいろいろと研究されている.急性びらん性胃炎はその1つである.著者らは,慢性萎縮性胃炎では正常者または慢性表層性胃炎に比べて,エタノール摂取中に便中にCr51をラベルした赤血球を多く認めたことを既に報告した.今回はエタノール摂取中に人の正常胃粘膜で同様なことがおこるかどうかを調べた.まず血漿蛋白の便中への排出を調べると,対照では,正常,表層性胃炎,萎縮性胃炎の三者ともきわめて軽微で差はなかった.ところがエタノール摂取後で,三者とも排出が多くなった.表層性胃炎では著増を示し,萎縮性胃炎では更に高く,対照時の2倍値を示したが,正常では増加を示したものの有意ではなかった.胃での血漿漏出はエタノール摂取後増加した.萎縮性胃炎では,正常,表層性胃炎に比べて高値を示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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