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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻6号

1978年06月発行

文献概要

今月の主題 胃・十二指腸潰瘍の治療の検討 主題

胃潰瘍の内科療法とその評価

著者: 西元寺克礼1 岡部治弥1 為近義夫2

所属機関: 1北里大学医学部内科 2山口赤十字病院内科

ページ範囲:P.785 - P.793

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 胃潰瘍の治療とは活動性潰瘍を治癒させるとともに,患者を潰瘍より離脱させること,すなわち永久に治癒せしめることを目的としている.今日まで行われてきた治療法でこれを満足するものは,いわば手術療法のみであった.しかし本来良性疾患であるべき消化性潰瘍の治療法として,これはあまりに犠牲が大きく,なるべく保存的に治療したいと願うのが内科医としての立場である.今日までの内科療法をふり返るとともに,複雑な胃潰瘍の経過を述べ,内科療法がこれにどのようにかかわってきたかを明らかにするのが本稿の目的である.

胃潰瘍の治療法の評価

 胃潰瘍の治療の目的は,①疹痛など自覚症状の消失,②潰瘍の治癒促進,③再発の予防と潰瘍の永久治癒の3つにあることはすでに述べた.今日の治療法により,①はほぼ満足すべき結果が得られているが,③についてはまだほとんど手つかずの状態といってよい.今日まで発表されてきた数多くの報告は,主として②に関してである.従来より有効とされてきた潰瘍の治療法は次のように要約できる.

 (1)精神的および肉体的安静(入院)

 (2)食餌療法

 (3)タバコ,コーヒーなど嗜好品の禁止

 (4)薬物療法

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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