文献詳細
今月の主題 症例・研究特集
症例
術前診断できた多発微小Ⅱb~Ⅱc型早期胃癌の1例
著者: 鎗田正1 白壁彦夫1 長浜徴2 桑原紀之3 渡辺勇3
所属機関: 1順天堂大学医学部内科消化器 2順天堂大学医学部外科 3順天堂大学医学部病理
ページ範囲:P.1081 - P.1088
文献概要
症 例
患 者:51歳 家婦
主 訴:胃部不快感,筋肉痛
家族歴:父親,59歳時,肺癌で死亡
既往歴:10歳,胃潰瘍,19歳,結核性腹膜炎,20歳,胸膜炎,29歳,リウマチ熱,39歳,巨大結腸切除術
現病歴:10歳時,吐血し某医で胃潰瘍と診断されている.その後も時々上腹部痛があり,胃潰瘍と診断され治療を受けていた.1974年2月胃部不快感があり,某医で胃X線・内視鏡倹査を受け,胃潰瘍と診断され入院加療している.1974年9月全身の関節痛が強くなり,リウマチ熱と診断され,以来,今日までプレドニソロン5~10mgを連用してきた.1976年5月,同様の主訴と筋力低下を自覚し,精査を求めて本院膠原病内科を受診した.臨床症状より多発性筋炎または皮膚筋炎を疑われ,胃潰瘍の既往もあり,胃の悪性腫瘍を否定する必要があった.胃X線・内視鏡的に精査し,多発微小胃癌と診断した.
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