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文献概要
今月の主題 症例・研究特集 症例
進行胃癌を伴ったOsler病の1例
著者: 長野一雄1 山英昭1 佐野博之1 佐々木寧1 山城雅明1 高桑雄一1 田村康史1 田原信一2 町田荘一郎2 田村堅吾2 前田裕二3
所属機関: 1函館共愛会病院内科 2函館共愛会病院外科 3国立相模原病院内科
ページ範囲:P.1123 - P.1132
文献購入ページに移動症 例
患 者:54歳 男
主 訴:心窩部痛
既往歴:特記すべきことなし
現病歴:1952年30歳頃より鼻を強くかんだり,感冒をひいた時,あるいは鼻孔をいじったりした時などに鼻出血があり,タンポンにて容易に止血していた.この頃より口唇の恒常性の赤い点状の発疹に気づいている.1958年36歳の時,格別の誘因なく右眼視野に雲のようなものが見え,網膜硝子体出血と診断された.1975年1月および5月にも同様の右網膜硝子体出血を繰返したが,いずれも数週の加療で痕跡なく吸収された.1976年5月初旬より不定の心窩部痛が出現したが,悪心,食思不振,吐または下血,体重減少などはなかった.7月6日当科を受診し,精査のため入院した.
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