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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻8号

1978年08月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 研究

迷走神経切断術のイヌ実験胃癌発生に及ぼす影響

著者: 藤田昌英1 高見元敞2 薄金真雄1 高橋明1 南平繁1 田口鉄男1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所病院外科 2市立豊中病院外科

ページ範囲:P.1133 - P.1140

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 ラットに高率に腺胃癌を発生させるN-メチル-N´-ニトロ-N-ニトロゾグアニジン(MNNG)は,イヌでも同様の経口投与により,胃癌を発生させることが確かめられ1)2),胃癌研究に大きな役割を果たすことが期待されている.しかし,このイヌMNNG胃癌の多くは,異型性の乏しい早期の分化型癌であり,漿膜に達する進行癌で,しかも転移形成を伴う例は稀である3).一方MNNGはイヌの小腸にかなり高率に肉腫を発生させるため,胃癌が進行する以前に,イヌを死亡させることも欠点である4)5)

 われわれは,イヌ胃癌発生を促進させる工夫の一つとして,1971年4月からMNNG投与開始前に胃の迷走神経を切断する方法を試みた.この論文では,迷切犬の2頭にのみ肺,肝への血行性転移を伴う進行胃癌の発生をみた成績7)8)を中心に,迷走神経切断術の効果をまとめ検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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