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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻8号

1978年08月発行

今月の主題 症例・研究特集

研究

肛門部悪性腫瘍の検討―特にbasaloid carcinomaについての考察

著者: 中田一郎1 喜納勇2 加藤洋3 橋本大定1 保坂茂文1

所属機関: 1東京大学医学部病理 2浜松医科大学病理・東京大学病理 3癌研病理

ページ範囲:P.1141 - P.1147

文献概要

 肛門部とは肛門管と肛門周囲皮膚をさし,この部の悪性腫瘍は比較的少ない.その上,肛門管の複雑な組織解剖学的構造を背景として,これより発生する腫瘍が病理形態学的に多様であり,その発生母地について解明すべき点が多い.そこでわれわれは過去約22年間に東大付属病院で切除された肛門部悪性腫瘍症例の病理組織学的特徴を調べ,また特に現在種々の見解がとられている,いわゆるbasaloid carcinomaおよびその発生母地と関連があるといわれている肛門管移行帯上皮1)について若干の考察を行った.

材料および方法

 1955年6月から1976年末までの約22年間に当院病理部で取り扱った肛門部悪性腫瘍,すなわち肛門管および肛門周囲皮膚に主座し,この部から発生したと考えられる悪性腫瘍の手術材料を検討対象とした.ただし肛門管の直腸型1)と考えられる癌は,肛門管直腸粘膜部に発生したものか,または直腸膨大部に発生し,これが肛門管に波及したものか,その判定がきわめて困難であること,また組織発生学上,直腸型癌は直腸膨大部に発生した癌と何ら変わるところがないことなどの理由で今回の検討対象から除外した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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