文献詳細
今月の主題 症例・研究特集
研究
肛門部悪性腫瘍の検討―特にbasaloid carcinomaについての考察
著者: 中田一郎1 喜納勇2 加藤洋3 橋本大定1 保坂茂文1
所属機関: 1東京大学医学部病理 2浜松医科大学病理・東京大学病理 3癌研病理
ページ範囲:P.1141 - P.1147
文献概要
材料および方法
1955年6月から1976年末までの約22年間に当院病理部で取り扱った肛門部悪性腫瘍,すなわち肛門管および肛門周囲皮膚に主座し,この部から発生したと考えられる悪性腫瘍の手術材料を検討対象とした.ただし肛門管の直腸型1)と考えられる癌は,肛門管直腸粘膜部に発生したものか,または直腸膨大部に発生し,これが肛門管に波及したものか,その判定がきわめて困難であること,また組織発生学上,直腸型癌は直腸膨大部に発生した癌と何ら変わるところがないことなどの理由で今回の検討対象から除外した.
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