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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻9号

1978年09月発行

今月の主題 腸結核(3)―疑診例を中心に

主題症例

小腸結核が疑われた1手術例

著者: 小西敏郎1 岩崎甫1 和田達雄1 藤野雅之2 山口和克3

所属機関: 1東京大学医学部第2外科 2東京大学医学部第1内科 3東京大学医学部病理

ページ範囲:P.1197 - P.1202

文献概要

 近年抗結核剤の普及により肺結核症患者が著明に減少し,腸結核症患者も減少しており,腸結核に対する関心も低下したために,腸結核の術前診断は困難になってきている1).最近術前のX線,内視鏡などの諸検査で小腸結核が強く疑われた1症例を経験したので報告する.

症 例

 患 者:35歳 女性

 主 訴:悪心 嘔吐

 既往歴:特になし.結核の既往はない

 家族歴:特になし.結核に罹患した者はいない(ただし,兄が結核療養所勤務の医師なので結核の感染機会はありうると考えられる)

 現病歴:2年前より食後に腹部膨満感を来たし,悪心を伴い1カ月に1度くらい嘔吐することがあった.1年前に微熱を伴う軽度の腹痛があった.1977年9月頃より3日に1度くらい嘔吐するようになったので,10月8日,兄の病院を受診.上部消化管X線検査にて小腸狭窄と診断された.10月31日東京医大で小腸内視鏡を施行,小腸の隆起性病変と狭窄を指摘された.その後も流動食では嘔吐しないが,普通食を摂取すると嘔吐を繰返すので,1977年11月14日,当科に入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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