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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻9号

1978年09月発行

文献概要

今月の主題 腸結核(3)―疑診例を中心に 主題症例

病理組織学的には確診の得られなかった小腸結核の1例

著者: 牛尾恭輔1 阿部荘一1 光島徹1 木村徹1 森山紀之1 高杉敏彦1 岡崎正敏1 松江寛人1 笹川道三1 山田達哉1 森谷冝皓2 小山靖夫2 小松正伸3 板橋正幸3 広田映五3 市川平三郎4

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター外科 3国立がんセンター病理 4国立がんセンター

ページ範囲:P.1203 - P.1210

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 臨床所見,X線像および切除標本の肉眼所見から典型的な小腸結核と診断したが,組織学的には結核菌や乾酪変性を伴う結核結節が証明されなかった“腸結核疑診例”を経験したので報告する.また本症例における主病巣周辺の微細変化について言及する.

症 例

 患 者:69歳 男性

 主 訴:下血,反復性腹痛

 既往歴:20歳時,結核性肋膜炎,結核性腹膜炎を指摘された.

 家族歴・生活歴:特記すべき事項なし

 現病歴:1964年(56歳),肺結核の再燃を指摘され3年間抗結核剤(SM,PAS,INH)の治療をうけた.1967年(59歳),下血があり,その後も時々下血と腹痛があったが放置していた.1977年4月(69歳),反復性腹痛と下血が3週間持続し,6月にも下血が1週間続いたので精査のため7月,国立がんセンターに入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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