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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻9号

1978年09月発行

今月の主題 腸結核(3)―疑診例を中心に

主題症例

大腸結核の1例

著者: 中沢三郎1 可知常昭1 坪井靖治2 加藤景三2

所属機関: 1名古屋大学医学部第2内科 2公立陶生病院内科

ページ範囲:P.1217 - P.1221

文献概要

 大腸疾患の診断は,近年二重造影法を中心としたX線検査技術の向上と,すぐれた内視鏡の開発により,さらに正確になされるようになった.しかし,炎症性大腸疾患における診断は困難な場合があり,臨床的にも病理学的にもその診断をより確実にする努力が重ねられている.とりわけ腸結核は本邦において炎症性腸疾患としては稀ではなく,新しい概念が確立されつつあるクローン病との鑑別が重要視されている.今回,われわれは上行結腸に限局して炎症性ポリポージスとfissuring ulcerを思わせるX線検査所見を呈した大腸結核で,病理組織学的にもクローン病をも思わせる所見の見られた1症例を経験したので報告する.

症 例

 患 者:○塚○雄 47歳 男

 主 訴:下痢

 家族歴:特になし

 既往歴:数年前より神経疾患(olivo-pont-cerebellar atrophy)にて外来通院治療.

 現病歴:約1カ月前より軽度の腹痛を伴う下痢が出現し,止痢剤を投与するも1日6~7回の水様便は改善せず,脱水傾向が出現してきたため,治療・精査の目的で陶生病院へ入院した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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