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文献詳細

雑誌文献

胃と腸13巻9号

1978年09月発行

文献概要

今月の主題 腸結核(3)―疑診例を中心に 主題症例

組織学的に腸結核と確定されえなかった多発性小腸・大腸潰瘍症の1例

著者: 松田彰1 竹田寛1 田口光雄1 矢谷隆一2 梅本大之3 松本常男4 吉岡正夫5

所属機関: 1三重大学医学部放射線科 2三重大学医学部病理 3三重大学医学部第2内科 4三重県立看護短期大学 5遠山病院外科

ページ範囲:P.1223 - P.1229

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 Granulomatous enterocolitisの鑑別診断は容易でないことが多い.最近われわれは,大腸に輪状狭窄,粘膜萎縮,偽憩室形成,炎症性ポリープなど腸結核の特徴的所見を有し,小腸でも同様の所見を呈しながら,病理組織診断を加えた最終診断でいわゆる非特異性多発性小腸潰瘍と大腸結核の合併とすべきか否か判断に苦しむ症例を経験したので報告する.

症 例

 患 者:HF 51歳 男 製紙工場工員

 主 訴:下腹部痛

 既往歴:1966年十二指腸潰瘍で手術

 家族歴:特記すべきものなし

 現病歴:約4年前より便秘がちで,腹痛に伴って腹部腫瘤を触れ,移動性で,腹鳴と共にあるいは大量の排便で症状は軽快していた.そのような症状が季節の変わり目にしばしば認められ,いったん発症すると1カ月位続いた.下痢,粘血便はなく,浮腫,急激なるいそうも認めない.食思不振 便通3日に1行.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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