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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻1号

1979年01月発行

文献概要

今月の主題 早期胃癌診断の反省(1) 主題

X線装置からみたX線診断の限界

著者: 熊倉賢二1 杉野吉則1 田中満1 今井裕1 金田智1 大久保忠成2 井筒睦2 樋口公明3 椎名栄一3

所属機関: 1慶応大学医学部放射線診断部 2済生会中央病院内科 3埼玉中央病院外科

ページ範囲:P.13 - P.25

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 「よい写真がとれたら,“どうだ,よいだろう”といって,まわりの誰かれとなく,みせて廻る.そんなことが,かつてはあった.それが現在では,院内のカンファランスでも,モソモソと説明して,サッサと自分の撮った写真をしまってしまう.努力しても,よい写真がとれないから,楽しみがないですよ.」古い友人の言葉である.ときたま検討会に出席してみても,うすぼけた,びんぼけの写真を並べて激論している.検討するに足りない写真についてである.

 どうしてこうなったのか.結論を先にいえば,性能のわるいX線装置があまりにも普及しすぎたからである.気がついてみたら,わが国では,ふるいわけ診断しかできないX線装置ばかりである.それも遠隔操作式X線TV装置(遠隔TV)が大部分である.それなのに,価格が高いから,性能がよく,精密検査ができると信じられている.現在では,精密検査のできる装置は極めて数少なくなっているのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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