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今月の主題 胃癌の化学療法 主題
胃癌化学療法の現況と問題点
著者: 坂野輝夫1
所属機関: 1国立がんセンター病院内科
ページ範囲:P.1639 - P.1655
文献購入ページに移動 1953年以降死亡順位の第2位を占めてきた癌は,1976年には死亡数140,893名で全死亡中の20%を占めている1).国民の癌対策への要望を契機に,1965年12月に国会において「がん対策の推進について」という決議がなされ,1966年度予算で28億円余の癌対策費が計上された.国立がんセンターを中心とする診療体制の整備,胃癌・子宮癌等を中心に集団検診の標準・術式の確立等を背景に,厚生省・文部省に1963年度からがん研究助成金制度が設けられ,各方面における癌対策の成果を上げる基礎となってきた.
胃癌についてみると,部位別訂正死亡率(人口10万対)では1977年男性34.1および女性21.6と圧倒的に高率であるが,年次的推移をみると肺癌・白血病・膵癌および卵巣癌等の増加に比べても1950年の胃癌のそれは男性45.0および女性28.6であったわけであるから,胃癌は男女とも減少傾向を示している1).
胃癌についてみると,部位別訂正死亡率(人口10万対)では1977年男性34.1および女性21.6と圧倒的に高率であるが,年次的推移をみると肺癌・白血病・膵癌および卵巣癌等の増加に比べても1950年の胃癌のそれは男性45.0および女性28.6であったわけであるから,胃癌は男女とも減少傾向を示している1).
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