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今月の主題 胃癌の化学療法 主題症例 胃癌の化学療法 C.特殊な経過を示したり,特殊な治療を行った興味ある症例群
⑫制癌剤による胃癌の局所療法―その参考例の提示
著者: 並木正義1 水島和雄1 河内秀希1 中川健一1
所属機関: 1旭川医科大学第3内科
ページ範囲:P.1713 - P.1716
文献購入ページに移動新潟の某病院で胃ポリープを指摘され,手術をすすめれらたが,なんとか切らずに治してほしいと当科を訪れた.付添ってきた家族の話では,癌だから手術をするようにいわれたという.自覚嚇症状はまったくない.
当科で精査の結果,X線および内視鏡検査で,前庭部大彎後壁に大きな凹凸不整の隆起性病変を認めた(Fig. 1,2).生検組織所見(Fig. 3)で高度の異型と診断された.なお故佐野量造博士からも癌とみて手術するようにいわれた.こちらでも手術をすすめたが,頑としてそれを拒否したため,ブレオマイシンによる局所注射療法を行うことにした.
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