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書評「治療総論」
著者: 吉利和1
所属機関: 1浜松医科大学
ページ範囲:P.452 - P.452
文献購入ページに移動 医学の究極の目標手段は,患者の治療にある.ところが治療とは一体どういうことなのかについて,多くの医家は十分に考えた上で,実際の治療を行っているであろうか.多くの人は,まず正しい診断をつけることに全力をそそぐ.診断がきまれば,ひとりでに治療方針がきまってくるので,その通り実行すればよいと考えるのが普通である.
しかし診断がきまったら,治療がひとりでに方向づけされて,その通り実行すれば,よき治療につながるであろうか.どうもそうはいえないようである.治療も科学的に行なわれなければいけないというが,科学的とは,教科書的に,AならBという対応ということではないはずである.治療こそ,1人1人の患者をみながら,個人としての特性をみながら行うべきものである.
しかし診断がきまったら,治療がひとりでに方向づけされて,その通り実行すれば,よき治療につながるであろうか.どうもそうはいえないようである.治療も科学的に行なわれなければいけないというが,科学的とは,教科書的に,AならBという対応ということではないはずである.治療こそ,1人1人の患者をみながら,個人としての特性をみながら行うべきものである.
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