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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻4号

1979年04月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 研究

大腸癌のX線像による遡及的検討

著者: 牛尾恭輔1 阿部荘一1 光島徹1 森山紀之1 高杉敏彦1 岡崎正敏1 松江寛人1 笹川道三1 山田達哉1 森谷宜晧2 北条慶一2 小山靖夫2 妹尾恭一3 板橋正幸3 広田映五3 市川平三郎1

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部 2国立がんセンター外科 3国立がんセンター病理

ページ範囲:P.537 - P.547

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 大腸癌の発見は近年増加の傾向にある.その理由はX線検査および内視鏡検査,特に内視鏡的ポリペクトミーの進歩により,10mm前後の隆起性病変の発見と切除が容易になされるようになったためと考えられる1)2).このように小さな隆起性病変の発見とその組織学的検索の増加に伴い,最近では有茎性の隆起性病変と無茎性の隆起性病変との質的な相違性,腺腫と癌との関係などのいわば大腸癌の生物学的特性についての研究発表が次第に増してきている.しかし,どのような病変から大腸癌になるのか,どのような病変を経て進行癌になるのかといった研究は,いまだ不十分でかつ不明の点が多い.

 われわれは国立がんセンターにて手術された大腸癌の患者について,過去の注腸検査歴を詳細に聴取し,X線学的に病変を逆追跡する方法すなわち遡及的検討を行っている.その結果現在までに6例の大腸癌につき,検討に値する過去のX線写真を入手しえた.そして病変を遡及的に検討した結果,大腸癌の経過について興味深い新知見を得たので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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