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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻5号

1979年05月発行

今月の主題 消化管と血管病変

主題

高齢者における血行障害性腸病変

著者: 宮治真1 伊藤誠1 鈴木邦彦1 八木英司1 横地潔1 片桐健二1 武内俊彦1

所属機関: 1名古屋市立大学医学部第1内科

ページ範囲:P.615 - P.626

文献概要

 腸疾患のうちでも非腫瘍性疾患,特に血流障害に基づく病変は急性腹症として取り扱われていること,症例報告が少ないこと,更にその概念が報告者によって異なっていることなどにより,臨床的にも病理組織学的にも不明瞭な点が少なくない.1966年,Marston1)らは16例の虚血性腸炎を提示し,gangrenous form,stricturing form,transient formの3型に分類できるとした.しかし最近では,彼自身terminologyとしての虚血性腸炎という疾患名をtransient formに限定して用いるようになっている2)

 一方,病因論的には血流障害が主因となって惹起されると推察される腸病変が,実際には種々に呼称され混乱を招いている.血流障害による腸病変に関する報告は本邦では少なく,他の腸疾患の研究に比して遅れていると思われる.われわれは名古屋市厚生院という特殊老人医療施設における連続剖検1,041例(男性546例,女性495例,平均年齢78歳)より,このような血行障害に基づく腸病変をとりあげ,臨床的,病理組織学的に検討を加えたので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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