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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻6号

1979年06月発行

文献概要

研究

単発大腸進行癌,良性大腸疾患および家族性大腸ポリポージスにおける背景大腸粘膜の相違について

著者: 大原毅1 荻野彰人1 佐治弘毅1 藤間弘行2

所属機関: 1東京大学医学部第3外科 2熊谷市藤間病院

ページ範囲:P.811 - P.818

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 大腸癌は大腸の腺腫(Adenoma)から発生するという説が有力であるが,なおde novoの発生の可能性も論じられている.しかるに,腺腫癌化説(Adenoma-carcinoma sequence)の重要な根拠の1つとなっている,家族性大腸ポリポージスにおける無数の腺腫の存在とは異なり,われわれが日常取り扱う単発の大腸癌の背景大腸粘膜には,腺腫癌化説の基盤となるべき腺腫の併存頻度およびその数が,いかにも少なすぎると常々考えていた.もしほとんどすべての大腸癌が,腺腫を経由して発生するとするならば,家族性大腸ポリポージスにあらざる大腸癌や良性大腸疾患においても,もっとずっと多数の腺腫が発見されてしかるべきではなかろうか.そこで今回われわれは,単発性大腸進行癌・良性大腸疾患および家族性大腸ポリポージスの切除標本を用いて,それらの背景大腸粘膜の状態について調べることとした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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