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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻7号

1979年07月発行

今月の主題 回盲弁近傍潰瘍(2)―Intestinal Behcetを中心に

総合評

6~7号の「回盲弁近傍潰瘍症例」16例について

著者: 西沢護1 中村恭一2

所属機関: 1東京都がん検診センター・診断部 2筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.951 - P.953

文献概要

●臨床の立場から

 腸の潰瘍性病変のなかでも,結核やアクチノミコーゼのように炎症の原因がはっきりしており,特異的な組織所見を示す特異性潰瘍のほかに,炎症の原因も不明で組織所見から診断を確定できないような非特異性潰瘍が多数存在する.ことに回盲弁近傍に発生するものが多く,またこの部位は種々の潰瘍性病変が高頻度に発生するために,鑑別診断がむずかしい.

 本誌6号と7号では回盲弁近傍の非特異性潰瘍を集めたものだが,6号にはいわゆる単純性潰瘍といわれる,まだそのentityのはっきりしていないものを,7号には腸型Behcetを主体に症例が並べられている.6号の〔症例1〕から〔症例5〕までと,本号の〔症例7〕は,病理組織所見からは非特異性潰瘍としか診断できず,臨床所見からみてもその原因がつかめない.共通していることは,単発,多発にかかわらず,Ul-Ⅳの深い下掘れのある潰瘍をもち,その潰瘍の形もpunched outで,ちょうど急性増悪した胃潰瘍や穿通性胃潰瘍の形に似ていることである.これらの潰瘍とその形が非常によく似ているだけでなく,腸間膜付着反対側に発生しやすいこと,穿孔例の多いこと,再発しやすいことなどの性質もよく似ているのがBehcet病にしばしば発生する腸潰瘍である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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