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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻8号

1979年08月発行

研究

イヌ実験胃癌による微小癌の研究

著者: 栗原稔1 泉嗣彦1 宮坂圭一1 丸山俊秀1 稲熊裕1 白壁彦夫1 鎌野俊紀2 安井昭3

所属機関: 1順天堂大学消化器内科 2順天堂大学外科 3越谷市立病院外科

ページ範囲:P.1111 - P.1115

文献概要

 ヒト胃癌モデルとしてイヌ実験胃癌を研究するに当っては,いかにしてヒト胃癌に似たイヌ進行胃癌を作るかに精力が注がれてきた1)~5).そして今やイヌ胃癌は,肉眼型も組織型もヒト胃癌に似て多彩で,リンパ節転移,肝,肺,骨など臓器転移,皮膚転移,癌性腹膜炎の併発まで作られている4)5).MNNGやENNG単独投与では極めて稀なイヌスキルスの発生も,ガストリンを併用すると意図的に作れる段階にきている6).さらに実験癌が悪性病変であるとの証明に転移形成と共に移植継代が必要とされるが,ヌードマウスを用いて成功している7)8)

 このような背景の下にイヌ実験胃癌を用いる微小癌研究の意義は,①意図的に微小癌を作ってその切除胃の詳細な検索で組織発生を追求する,②内視鏡下の生検で確認された微小癌が増殖,発育して進行癌へと進展して行く過程をX線,内視鏡,生検で経時的に詳細な追求をすることにあろう.こうした微小癌に的をしぼった研究の他に,ヒト胃癌で切除胃の全割標本に微小癌がみつけられた全く同じ方法をイヌ実験胃癌にも当てはめてみるのもヒト胃癌の対比に役立つと考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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