文献詳細
入門講座 胃癌診断の考え方・進め方・8
④量的診断をめぐって
著者: 市川平三郎1 城所仂2 八尾恒良3 多賀須幸男4 中村恭一5
所属機関: 1国立がんセンター病院 2順天堂大学消化器外科 3福岡大学第1内科 4関東逓信病院消化器内科 5筑波大学基礎医学系病理
ページ範囲:P.1126 - P.1129
文献概要
市川 次に,「量的診断をめぐって」へいきましょう.量的診断ということになると,病変の範囲のほかに,深さも関係するわけですね.深達度診断と範囲ということになるわけですが,深さの,要するに早期か,進行かという診断,それから,早期でもmか,smかという診断がありますね.それと広さですが,深さから先にいきますか.深さはむずかしいですね.
八尾 本当をいうと,深さの診断学はまだ出来上がっていないと思うんです.それの1つの原因は,立体構築をきちっとやって,肉眼標本とX線,内視鏡の場所の同定を正確にした上で所見の取捨選択をしなければいけない.すなわち肉眼標本でここのところが入っている,そのところがX線と内視鏡でこう見えるとやるわけですが,確実に同定できる症例が非常に少ない.そういう診断学が出来上がっていないので,やはり仕方がないという面があるわけです.
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