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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻9号

1979年09月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 症例

ルーチンpanendoscopyで局所的食道静脈瘤を認めた6例

著者: 井上良一1 羽白清1 山本俊夫1 毛利進2 渡辺幹雄3

所属機関: 1近畿大学医学部第2内科 2毛利胃腸科病院内科 3京都大学医学部第1内科

ページ範囲:P.1169 - P.1173

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 一般的に内視鏡で認められる食道静脈瘤は門脈圧亢進症に基づく側副血行路の一端として出現し,左胃静脈あるいは短胃静脈を経て流入した食道の粘膜内および粘膜下の血管が,食道胃接合部より上行する静脈の拡張,蛇行,念珠状変化として観察される.すなわち食道下部より上行し,口側では奇静脈あるいは頸静脈に流入して消失し,内視鏡所見では主として食道内腔に4方向に走行し交通枝を出している.またそれと異なった食道静脈瘤として確認されているものとしては,いわゆる“downhill varices”と称されるもので,上大静脈圧の上昇から主として上部食道に血管怒張をきたすものである1)3).前者は一般的だが,後者はかなり稀である.ところが最近われわれは,1975年より約1,500例のスクリーニング・ルーチンpanendoscopyを施行し,常に食道を観察しているうちに,それら2者とも異なると思われ,しかも通常観察される食道静脈瘤の血管走行としてではなく,局所的に孤立性に存在する静脈瘤に6例遭遇したので,その内視鏡的所見を臨床経過とともに報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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