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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻9号

1979年09月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 症例

異型上皮巣の癌化を疑わせるⅡa型早期胃癌の1例

著者: 高見元敞1 木村正治1 前田利信1 細野崇2 平田一也2 中島敏夫2 由谷親夫3

所属機関: 1市立豊中病院外科 2市立豊中病院内科 3市立豊中病院中検病理

ページ範囲:P.1189 - P.1197

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 生検によりGroupⅢと診断し,いわゆる異型上皮巣として経過をみた胃の隆起性病変が,3年5カ月後の生検でGroupⅤと診断され,Ⅱa型早期胃癌として手術をうけた症例を報告する.

 この症例は,初回の内視鏡検査でⅡa型早期癌が疑われたが,採取した4コの生検組織がいずれもGroupⅢと診断されたため経過観察がなされたもので,約3年後に大きさが増大し,形態も変化したため,生検が繰り返し行われ,最終的に癌と診断されたものである.切除標本の病理学的な検討でも,同一病巣内に癌と異型上皮が混在しており,異型上皮巣の癌化がつよく疑われる症例といえる.なお,副病巣として,主病巣から離れた位置に小さな隆起性病変が存在し,これも異型上皮と癌とが混在した病巣であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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