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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻9号

1979年09月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 症例

胃の隆起性異型上皮からの癌化と考えられる1症例

著者: 北村公男1 中野哲1 綿引元1 武田功1 内藤勇2

所属機関: 1大垣市民病院第2内科 2大野荘病院

ページ範囲:P.1205 - P.1210

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 胃の隆起性異型上皮巣は,隆起型早期胃癌と鑑別を要する病変として注目され,長与1)2),菅野,中村,高木ら3)-5),望月,福地ら6)を中心として切除胃および生検材料の病理組織学的検索,並びに臨床的研究が行われて最近そのおおよその概念が確立されてきた.しかし,異型上皮巣はdisease entityなのか否かに関してはいまだに病理学者の間に見解の相違があり,またその本態についてもneoplasiaとする見解とdysplasiaとする見解があり7),必ずしも統一されているとはいい難い.さらに異型上皮からの癌化の可能性については,明確な結論をだすまでには至っていない.本例では,切除胃の病理組織学的検索により,広い異型上皮巣の表層に微小な癌巣が発見された.異型上皮からの癌化を思わせる興味ある症例と考え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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