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文献詳細

雑誌文献

胃と腸14巻9号

1979年09月発行

文献概要

今月の主題 症例・研究特集 研究

熱傷と急性出血性胃病変

著者: 北島政樹1 相馬智1

所属機関: 1杏林大学医学部第1外科

ページ範囲:P.1263 - P.1269

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 上部消化管出血は熱傷後に発症する最も重篤な合併症の1つであり,まだ本合併症の病因や発生頻度について解明されていないのが現状である.臨床研究および死後の検討では潰瘍,出血および穿孔などが熱傷の経過中で最も重篤な時点で認められる場合が多く,逆に吐下血などの症状もなく治癒する場合もある.一方では熱傷前に存在した慢性消化性潰瘍が増悪しCurling's ulcerあるいはストレス潰瘍として誤診される場合もある.

 従来より熱傷後に発症する急性胃病変の病態生理を究明するために種々の研究1)2)が行われ,敗血症3),副腎皮質機能亢進4)5)などが病因として述べられてきたが,近年に至りHイオン(以下H+)逆透過性亢進による胃粘膜関門の破壊が胃病変の原因6)7)として注目されてきた.そこでH+逆透過性亢進と胃粘膜虚血に着目し,これらの相互反応が熱傷後に発症する急性胃病変の病因であろうという仮説を設け,以下の実験を行った.同時に自験例の熱傷患者の胃病変についても検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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