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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻1号

1980年01月発行

文献概要

今月の主題 胃病変の時代的変貌 序説

胃病変の時代的変貌―未来への展望に資するために

著者: 中村恭一1

所属機関: 1筑波大学基礎医学系病理

ページ範囲:P.9 - P.10

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 過去の出来事が時間の流れに沿って書かれた歴皮書は,われわれをタイムマシンに乗せて過去の世界へと引きずり込んでくれます.歴史学は,一面ではこのような楽しみをわれわれに与えてくれますが,過去を知って現在・未来に対処する,あるいは,ある事柄について過去と現在とを比較することによって,それが変化している場合にはその変化の要因を探り出すことができるという面もあると思います.

 例えば,誰しもが認める,そして要因の明らかな事柄として早期胃癌があります.早期胃癌の診断はわが国では一般化していますが,このような結果になったのはわが国の現在も活躍中の諸先輩による早期胃癌診断学の確立に原因が求められます.また,日本における早期胃癌診断学の進歩とその普及によって多くの早期胃癌を発見し,胃癌の予後が著しく改善されていることを,諸外国は知っています.そして,諸外国では早期胃癌診断学と日本における早期胃癌発見のための方式・組織を学び,それを現在・未来に応用すべくその試みがなれつつあります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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