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文献詳細

雑誌文献

胃と腸15巻1号

1980年01月発行

文献概要

今月の主題 胃病変の時代的変貌 主題

胃ポリープの時代的変貌

著者: 山田達哉1

所属機関: 1国立がんセンター放射線診断部

ページ範囲:P.43 - P.47

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 いわゆる胃ポリープについて,この10年来いろいろなことがわかってくると共に,われわれの考え方も随分と変わってきた.

 いわゆる胃ポリープは,比較的稀な疾患と考えられていた.確かに,X線で臨床的に診断され,手術が確認された症例が初めて報告されたのが,何と昭和10年1)(1935)である.それ以後,症例報告はあっても,10例以上まとまった報告例は,戦後の昭和30年代にならないと現われてこない.したがって比較的稀と考えられたのも当然であろう.ちょうど昭和30年代は,胃の診断技術が進歩しはじめるころであり,いわゆる胃ポリープに対する検討も行われはじめたころである.しかし,このころはいわゆる胃ポリープの定義はかなり不明確(現在でも明確とはいえないが)であり,胃の内腔に隆起した病変で一定の形態のものを,いわゆる胃ポリープとして取扱っていた傾向がある2).一般には良性の意味合いが強いが,小さな病変では肉眼的にも良悪性の判別は困難だったと思う.いわゆる胃ポリープの症例を病理組織学的に検索し,癌の症例があると,それを分子として総数で割算し,癌化率何%と計算していたようである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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